「ダライ・ラマに恋して」 たかのてるこ:著 幻冬舎
ブックオフでたまたま見つけて、なんとなく買った本です。
エッセイなので軽い感じですが、臨場感が伝わってきて、夢中になって読んでしまいました。
良い本に巡り合えたものです。
ダライラマに会いに行くために、中国のチベット自治区、インドのラダックを旅するお話です。
タイトルのダライラマよりは、チベット人との交流が主な内容です。
読んで、旅って良いなぁ、こういう旅がしたいなぁ、とつくづく思いました。
著者は各地でチベット人と仲良くなり、食事をしたり、一緒に出かけたり、泊まったりしていくのですが、
自分はこういうことができるだろうかと思いました。
外国で現地人に誘われても、「何か企みがある」とか「睡眠薬強盗」とか「ポーカー賭博で金を巻き上げられる」とかそういうことを心配してしまいそうです。
もちろんすべてがそういう人ではないのはわかっているのですが、どこで人を判断したらよいのでしょうか。
疑う自分と疑わなくてはならない社会というのが残念です。
ラダックの田舎暮らしはかなり環境的。
トイレの糞尿を堆肥にして農作物を作り、それを食べて生活をする。
昔は人が死んだら鳥葬にしたそうです。鳥が死体を食べ、鳥の糞が、畑に落ちて土と混じる。もしくは、鳥が他の動物に食べられる。
人間の体は何かから作られています。
食べ物を得て血とか筋肉ができるんだけど、その食べ物をたどっていけば川の水とか土とか鳥の糞とかかです。
自分の体は、川や土や糞からできているのです。
自然を汚すということは、結局自分を汚すということ。
自然を大切にしないということは、結局自分を大切にしないということ。
人間は自然とは切り離せないはずが、今の東京の僕の生活ではあまりに自然を実感できない。
この本を読んで、人間として当たり前のことが東京ではできていないことを感じました。
今の日本で言われている「冷房を28度にするのがエコロジー」というのも必要かもしれないけど、
もっと本質的な「エコロジー」を感じたくなりました。
旅に出たくなりました。
この本にも輪廻転生のことが書かれていました。
前世の事を覚えている少女が登場します。
最近私が読む本でやたらと輪廻転生について遭遇します。
自分は精神世界に浸かっているわけじゃないんですけどね。
最後に、ダライラマのお言葉です。
「私たちは自分でわざわざ不要な苦しみを作り出すことがあります。
心を落ち着かせ論理的に考え心の平和を保つようにすれば、不要な悩みや苦しみを味わわずに済むのです。」
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