エサレン仲間&先輩である宮本さんが企画するワークショップの中に「シャー・ピアス氏によるTRE(緊張とトラウマを解放するエクササイズ)」があります。
(※トラウマとは心的外傷(心の傷)のことです。)
ちなみに、ちょうど今、逗子でワークショップを開催しています。
先日宮本さんにお会いしたときにTREのワークショップのことを教えていただいたので、TREを考案されたバーセリ博士の本を読んでみました。
「人生を変えるトラウマ解放エクササイズ」 デイビッド・バーセリ著
以下、この本の部分的要約です。
バーセリ博士は、戦地に住んでいたとき、爆撃を逃れるため避難した地下室で数週間を過ごしていました。
爆発音が聞こえるたびに、自分を含め皆が本能的にさっと胎児のように体を丸めていました。
このことに気づいた博士は、なぜこの動きをするのか?ということを考えます。
これは危機に瀕したときにすべての人間が行う原初的な反応です。
ストレスに満ちた出来事を体験すると、体の前側にある屈筋という筋肉を収縮させ、傷つきやすい柔らかい部分、生殖器、重要な内臓、目、耳、鼻、口のある頭を守って安全を感じられる胎児の姿勢になるのです。
この動きをする主要な屈筋は大腰筋。そして大腰筋が収縮すると同時に起立筋が伸展します。
この相反する緊張が脊柱を圧迫し、この緊張が長く続くと肩や首の痛みを引き起こします。
ストレス状態が終わっても、筋肉がリラックスした状態に戻らないでいると、それらの筋肉はより小さなストレスでも敏感に反応するようになり、不安がずっと続くという悪循環に陥ります。
ストレス時にとる体勢=胎児の姿勢=腰屈筋を、わざとリラックスさせたらどうなるだろうかと思い、考え出された方法がTREです。
(※「腰屈筋」は聞きなれない言葉ですが、自分で調べた限り、英語で言うHip Flexors=腸腰筋(腸骨筋、大腰筋、小腰筋)、大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋、恥骨筋、長内転筋、短内転筋、薄筋のことと思われるが定かではありません。)
TREの運動は体がもともと持っている自然に震える能力を使います。簡単で痛みもありません。
太ももにある7つの屈筋にストレスを与え、ストレスの元になっているすべての筋肉の緊張をリラックスさせます。
ひどいショックやトラウマから生じた深い慢性的な筋肉の緊張を解きほぐすことができます。
日常的に行うと、日々の些細なストレスが慢性的な緊張になるのを防ぐこともできます。
トラウマはできれば避けたいものであるが、完全にトラウマを防ぐことはできません。
トラウマに苦しむ人の多くは薬物に助けを求めます。しかし薬による治療は高価なうえに、長期的にみると深刻な副作用があります。
個人面談式のセラピーも誰もが受けられるわけではありません。このようなぜいたくを享受できる人は限られています。
人間はトラウマを負ったとしても、自らを癒す能力を持っています。
しかしそのためには体の回復能力に気づき、その働きを積極的に助けることが必要なのです。
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