「これがボディワークだ 進化するロルフィング」を読みました。
小川隆之、斎藤瑞穂:共著
ボディワークが何かについて書かれた本です。
ボディワークとはマッサージ業界で使われる用語で、一般の人には馴染みが無いかもしれませんし、この業界でも、ボディワークはマッサージと同義として捉えられているのではないでしょうか。
自分も否定できませんが、あん摩マッサージ指圧師免許を持たない者が業務上「マッサージ」と名乗れないためにその代替用語として「ボディワーク」を使っていることが多いように思えます。
もしくは、整体の英語訳としてボディワークを使っている場合でしょうか。(それは適訳ではないでのすが)
しかしこの本では、「ボディワークとはリラクゼーションや治療を目的にするものではなく、本来的には身体機能、身体バランスの向上が目的であり、それに欠かせないのが身体教育である」と書いてあります。
すなわち、ボディワーカーは治療をするのではなく、身体教育の教育者であり、顧客に対して学習を促すのが役割だそうです。
著者は「3大ボディワーク」の一つであるロルフィングのプラクティショナーであり、ロルフィングについても書かれていますが、そのロルフィングが一時期拠点にしたエサレン研究所についても詳しく書かれています。
私が知る限り、エサレン研究所について書かれた日本語の本と言えば「エスリンとアメリカの覚醒」ですが、この本だと情報が散漫であり、訳本ということもあり読みにくさがあります。
しかし「これがボディワークだ」ではエサレン研究所の歴史的経緯をうまくまとめられ、かつ、読みやすく書かれています。エサレンプラクティショナーも一読の価値があると思います。
なお、文中でこんな記述がありました。
『最近日本では、エサレンマッサージが「エサレンボディワーク」と呼ばれることもあります。実は、エサレン研究所の公式サイトにもそのように記される場合があるようです。これまでエサレン研究所では、「マッサージ」と「ボディワーク」とを明確に区別し、教育プログラム上でも別扱いをしてきているので、2つの名称を混同しているとは思えません。方針、あるいは教育プログラム上の変更でもあるのでしょうか。』
これについては私も知らないことなので、知りたいところです。
また、「統合」についてこんな興味深い記述もありました。
『(ロルフィングの)第8~10セッションは「統合」のセッション群と言われ、身体のあらゆる部分間のバランスを作り出すと同時に全身の統合を目指します。
(中略)
彼女(アイダ・ロルフ)の言う「統合する」ことは、「修復する」ことではなく「治療」の領域でなされるものでもありません。それは「教育」の領域でなされるのです。
(中略)
「統合する」とは、「身体を効果的に機能させ、同時にその状態を主体的に体験できるように導くこと」ではないでしょうか。』
この本によると、アイダ・ロルフは統合について明確に定義しておらず、ロルファーになる教育を受けても「統合」については教われないそうです。
エサレンのクラスでも統合という用語はよく出てきますが、自分は未だに理解できないでいます。
他のプラクティショナーの方はどうなんでしょうか。
また、アメリカ人が"integration"(統合)と聞いた時は、すんなり理解できるのでしょうか。
それとも僕と同じくピンと来ないでいる人もいるのでしょうか。
エサレンにおける統合についてきちんと理解したいです。
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