知人からもらった本を読みました。
「わたくしが旅から学んだこと」
兼高かおる:著
「兼高かおる 世界の旅」という有名なテレビ紀行番組はなんとなく名前は聞いたことがあるものの、見たことはありません。
1990年まで放送されていたということなので、見るチャンスがあったはずだと思うと残念です。
この本を読んだら、きっと単なる旅番組とは違い、品があって奥深い番組なんだろうなと思いました。
品格は「にじみ出て来る」もの。
言葉や身なりもそうでしょうが、本の文章からも品格が伝わってきました。番組もきっとそうだったに違いありません。
テレビ番組は彼女自身で制作と出演をしたそうです。だから彼女の意思が番組に反映できたことでしょう。
自分の思い通りにできるのは遣り甲斐があったでしょうね。
彼女は本にこう書いていました。
『いろいろな国に行き、さまざまな人と会い、見て、聞いて、知る。そして、それがただ自分のものにだけなって終わるのではなく、視聴者の反応がある。喜んでくれる人たちがいる。人に尽くしていると、張り合いや、やりがいがあり、飽きることがありませんでした。』
仕事でこう思えたら幸せでしょうね。世の中にはつらい思いをしながら働いている人が多い中、彼女は自分の仕事に誇りを持って働いていたようです。
自分も、多少の困ることはあるものの、基本的には彼女と同じく「喜んでくれる人たちがいて、自分のためにもなる」仕事に就けて幸せに思っています。
彼女と比べて自分に足りていない点は「もっとよいものを」という向上心でしょうか。
彼女の場合は楽しみながら向上していったことでしょう。
見習うべき点です。
また、彼女は「若い人は安い旅をするな」と書いています。
きっと彼女は裕福な家庭で育ったのだと思いますが(戦後直後にアメリカに留学に行っていますし)、だからこそ「良いもの」に触れる機会が多かったのだと思います。良いものがすべて高いわけではないでしょうが、安くても安物では自分の向上につながらない。良いものに接して自分を感化させたいですね。
『若いときに使う時間というのは自分を育てるための時間。せっかく時間を使って海外に出た以上は向上したほうがベターだと思いませんか?入場料が高いからといって美術館には行かない、食事も適当、というのではもったいなさすぎます。
別に贅沢旅行を推奨しているわけではありません。3ヶ所安いところに行くのなら、それを切り詰めて、無理をしてでも1ヶ所はいいものを見に行く、食べに行く。お金を上手に使い、役に立てる方法はあります。
低いレベルのところだけを見て優越感を持つための旅をするのではなく、自分を高めるための旅をしたいものです。』
[3回]
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