先日、とあるご縁でライブハウスに行ってきました。
シャンソンやカンツォーネを中心とした演奏で、落ち着いた大人な雰囲気のショーでした。
歌や曲について詳しくない自分ですが、聞いていて強く思うことがありました。
「歌はメッセージだ」と。
好きな曲か上手な曲かより、歌によって「何か伝わってくる」ほうが印象に残りました。
ある人の歌った歌は十分にお上手だったのですが、なんか心がこもっていないというか伝えたいものが感じられませんでした。
もちろんその方は歌詞の内容を理解したうえで歌ってらっしゃるのでしょうが(それは激しい恋愛の歌でした)、きっと今はそういう心境じゃないんだろうな、だからあくまでステージの発表として歌っているんだろうな。もしご本人が激しい恋愛の最中にいたら(もしくはそういう空想をしていたら)違った歌い方になっていたんだろうなと、勝手に一人で思っていました。
それに対して、印象に残ったのは、「曲の持つメッセージを伝えたい」と強く感じる歌の時でした。
その歌手(もしくはそれにまつわる何か)が歌を通して何かを伝えてくるようで、まるで憑りつかれたかのようになっていて、聞いていてゾクッとしました。
(まあ、聞くほうは勝手ですよね。歌い手さんはショーで毎回全曲に精魂を込めれるわけではないでしょうし、大変ですよね。スミマセン。)
ところで、歌のレッスンを受けてきました。
人生初の歌のレッスンです。
私は歌うのが好きなわけではなく、むしろ好きではない方なのですが、ふとしたきっかけでレッスンを受けることになりました。
受けてみた感想は、とてもおもしろかったです。
1時間のレッスンの最後には、なぜだか涙を流しながら歌っていました。
歌のレッスンというと、音程をはずさないとか譜面通りに歌うとかを思っていました。
だが、実際には、「力を抜く」「好きなように歌う」「がんばったり努力をしない」というようなご指導でした。
なぜ私は泣いたのでしょう?
私が選んだ曲は、NHKの東日本大震災の関連曲の「花は咲く」でした。
自分自身の親族や近い友人に(致命的な)犠牲者になった人がいるわけではないのですが、やはりあれだけ大きな出来事だったので自分の知らないうちに曲へ思いが積もったのかもしれません。もしくは曲が持つ大きな力がひょこっと僕のところに現れてきたのかもしれません。
自分に何か悩み事や困った事があったわけではないのですが、まるで「音楽療法」を受けているようなレッスンになりました。
不思議な、だけど気持ちの良い涙でした。
よく「(エサレン)マッサージを受けたら涙が出てきた」という話を聞きます。
自分自身はそういう経験はないのですが、きっと同じようなことなんだろうなと感じました。
歌(マッサージ)を媒介にして何かが伝わって来たり、何かを伝えようとしたりしているんでしょうね。
ただ歌う、ただマッサージする、じゃなくて歌やマッサージを通じて何かを感じたり気づけるのっていいなと思いました。
[1回]
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